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座長あいさつ
 関西ライフライン研究会は、都市に張り巡らされたライフラインの地震対策の重要性を認識し、関西地域における防災意識の希薄さに危機感を抱いた官・民・学の技術者たちが集まり、平成4年(1992年)に任意団体として設立されました。それ以来、会員同士の交流と学び合いを通じて、関西の地域特性に即した耐震技術や地震防災対策の研究を進め、その成果を実務に活かすことを目指して活動を継続してきました。平成7年(1995年)の兵庫県南部地震の発生を契機に、研究会の活動はさらに活発化し、震災からの復旧に関する研究や、災害対応上の課題の検討を行うとともに、実務への応用のみならず、積極的な情報発信にも取り組んでまいりました。
 今年令和7年は、兵庫県南部地震から30年の節目を迎えます。この間、気象庁が命名した大きな被害を伴う大地震が、平均して2年から3年に一度の頻度で発生しています。兵庫県南部地震を契機に、耐震設計法、都市の防災対策、復旧・復興の迅速化においては大きな進展が見られました。しかし、2024年元旦に発生した能登半島地震は、過疎・高齢化・交通困難という日本社会の構造的課題が、災害時にいかにライフラインの維持・復旧を困難にするかを如実に示しました。また、防災対策技術は大きく進歩したとはいえ、依然として建物の倒壊等により尊い命が奪われる現実があり、これは我々にとって大きな課題であり続けています。
 一方、関西地域においても人口減少や高齢化、都市機能の偏在という同様のリスクを抱えています。こうした社会構造の転換期において、ライフライン整備や防災対策は、従来の「画一的・集中型」から「分散型・地域主導型」へとシフトすべき段階に入っているのではないでしょうか。それを後押しする新技術として、機械学習・生成AI・デジタルツイン・BIM/CIMといった情報技術を活用することも可能だと思います。すでにこれらの技術は一部の現場で実用化が進んでおり、今後はこれらを得意とする民間企業の参画と多様な主体との協働が不可欠になると考えられます。
 関西ライフライン研究会は3年を1期として活動を続けてまいりました。令和7年から令和9年度の第12期では「ライフラインから考える未来社会-災害に強い社会基盤を目指して-」をテーマとして掲げています。第12期1年目の令和7年度には、能登半島地震の復旧・復興活動を通して得られた教訓の共有、新技術と人材の融合による“次世代の防災”の探究、若手技術者、学生など多様な層との交流を通じて災害に強い未来社会を構築するための方策を研究する活動を推進したいと考えています。関西ライフライン研究会は、「会員の、会員による、会員のための、勉強会」であることを堅持しつつ、多様な参加者がフラットに語り合い、現場に根ざした知見を積み上げていける場を維持・発展させてまいります。継続的なご参画とご支援を、何卒よろしくお願い申し上げます。

関西ライフライン研究会座長  飛田 哲男

座長
第五代座長
関西大学
環境都市工学部
教授 飛田 哲男


 
 
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