阪神・淡路大震災に学ぶ 概説 ▲
阪神・淡路大震災を経験した関西地域の行政・ライフライン事業者・市民は緊急対応や復旧・復興に関して今や世界で最大のノウハウをもっているのではないかと思われる。
1.ライフライン被害は何故これ程までに拡大したのか?
2.事前にこのようなライフライン災害は予測できなかったのか?
3.震災後2年半経過した現在、関西地域のライフラインは地震に強くなったのか?
4.今、ライフラインに関して、行政・事業者・市民がとるべき対策は何か?
こららのことを今一度認識して、まずは地震に強い構造・施設を創り上げていく決意が要求される。
一方、ライフラインの地震防災に関しては兵庫県南部地震以前に知られていた以上の現象は発生しなかったし、地震後に新たに提起された地震工学上の課題は何もないとの議論も見受けられる。果たしてそうであろうか?今一度発生した事実を真摯に見つけ直して、従来の知見の是非を検証する必要が感じられる。
かかる視点から、本研究会は約1年をかけてライフラインの地震防災に関わる現象を整理し直して今後の教訓を探り出した。本報告書は被災地以外の行政・ライフライン事業者の方々にも有用なものであると確信している。 |