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会員からのメッセージ水の安定供給に向けた他ライフラインとの連携



水の安定供給に向けた他ライフラインとの連携

阪神水道企業団
技術部浄水管理課
門脇正夫

 社会的、経済的影響を考慮すれば、水道は止めることのできないライフラインであると認識している。しかしながら、阪神淡路大震災では、経年化施設、管路が大きな被害を受け、必要な水量と水圧を確保できなかった。
 このため、地震時でも供給を継続できるよう施設や管路の耐震化を進めるだけでなく、商用電源以外にガスエンジンによる常用発電を導入し、通信設備も複数回線を整備するなど水供給システムとしての冗長化を図ってきた。
 一方、東日本大震災では、地震動による施設被害だけでなく、長時間の大規模停電のリスク、津波による浸水被害及び塩水影響による取水停止のリスク等が顕在化した。このうち停電に関して、関西電力管内ではこれまで大きな事故もなく安定電源として認識していたが、東日本大震災以降の電力不足を鑑みれば、災害時だけでなく常時のリスクとして、今後考慮していかなければならない状況にあるのではないだろうか。

 水供給システムは、地理的条件が揃っていれば位置エネルギーを利用した自然流下方式が効率的であるが、都市域においてはポンプによる導水、送水、配水が必要な地域が多い。したがって、同じライフラインである電力事業者とは切っても切れない関係にあり、施設の制御や水質監視のためには通信回線の確保も欠かせない。
 このように、システム的に電力や通信など他ライフライン事業者に依存している部分も多く、危機管理の観点からは、過度にひとつの事業者に依存しないよう、複数事業者との連携や代替機能の確保を模索していく必要があると考えている。特に電源は、非常用発電を含めた電源の多様化を一層進めていかなければならないであろう。

 この研究会での活動を通じて、様々なライフライン関係者と連携強化を図ることができれば、水の安定供給に少しでも寄与できるのではないかと考えている。

 


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