災害に対する水道のこれからの課題
阪神水道企業団 建設部
計画課長 橋本利明
突然、未明の神戸の街を襲った阪神・淡路大震災から12年を経過し、震災で多くの地域が断水したことで、水道は市民生活を支える重要なライフラインであることを認識させられた。震災以降、継続的な安定供給を図ることを目的に水道施設の計画的な耐震化を実施してきてはいるが、地震災害という観点では東南海・南海地震のような海溝型地震の影響、すなわち、津波による海水遡上がもたらす取水への影響や長周期地震動による施設への影響も今後検討していくも必要であろう。
さらには、近年の降雨状況の変化により、渇水や豪雨が頻繁に生じており、特に集中豪雨による水道施設への被害も報告されている。このような状況を踏まえると、水道の使命である「安全な水を安定的に供給する」ためには、ハード面(施設整備)とソフト面(マニュアルの作成等)の両面からの対応を考え、それらを有機的に関連させることが非常に重要となるであろう。
これからの「災害」への対応としては、ハード的な整備を進めていくだけではなく、施設の整備状況などの的確な情報提供が、減災を図るためには重要な要素になってくると考える。
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