大阪市の防災まちづくり計画
~災害に強い安全なまちづくりの推進~
平成7年1月の阪神・淡路大震災は大都市を襲った直下型地震による災害であり、この地震により多くの貴い生命と財産が失われました。
特に、老朽木造住宅が密集した市街地においては、建物の倒壊と火災による焼失の被害が甚大でした。
この阪神・淡路大震災により得た貴重な教訓を踏まえて大阪市では、災害に強く安心して暮らせるまちづくりを推進するための防災まちづくり計画を策定しております。その概要を紹介いたします。
-
1.防災まちづくり計画の考え方
- 密集した市街地を中心に「防災性向上重点地区」(約3,800ha)を設定し、地域特性に応じた防災まちづくりの施策を展開していきます。
地震被害を最小限にとどめ、かつ迅速な復旧・復興が可能なまちづくりを目標に、日常の都市生活・活動をより豊かにする防災まちづくり、地域特性を活かした防災まちづくり、行政と住民による協働の防災まちづくりを基本理念としています。
- 2.防災まちづくりの進め方
- 従来より進めてまいりました広域的な視点に基づいた「都市レベル」での防災まちづくり計画と、身近な生活空間の視点に基づく「地区レベル」での防災まちづくり計画の両面から進めます。
●都市レベルの防災まちづくり計画については、都心部の防災性向上と主要都市機能の分散配置、都市施設の防災機能の強化、延焼遮断帯の整備、水と緑を活かした防災空間の形成を進めます。
●地区レベルの防災まちづくり計画については、市街地の面的不燃化と耐震性の向上を図るとともに、延焼遮断帯に囲まれた「防災街区」の単位で防災機能の強化に努めることを基本とし、取組みの基本方針としては、以下の2つを両輪として進めます。
- 市街地の特性に応じて、必要な施策を適宜組み合わせ、総合的に展開すること
- 地域住民の自主防災の意識の高揚を図り、行政と住民が協働で取り組むこと
●一般市街地では、既存の規制・誘導策や整備手法を活用しながら、地域住民の自主的な防災まちづくり活動を啓発・支援し、市街地の安全性を高めていくことが求められます。 一方、防災性向上重点地区では、一般市街地での施策に加え、市街地の安全性を高めるため、地域の実情に合わせて、面的整備事業の活用も含め、制度の拡充や規制・誘導、整備手法の優先的、重点的活用を図り、防災骨格の強化、老朽住宅の建替、狭あい道路の解消を進めます。