神戸市のインフラ施設の耐震化
-阪神淡路大震災の教訓を踏まえて-
○ 阪神淡路大震災でのインフラ施設の被害と復旧
市民生活を支える道路、港、鉄道そしてライフライン等の都市基盤は大きな被害を受けました。これらについては、震災直後から被災地域外の応援も得ながら、被害調査と復旧活動が行われました。
ライフライン |
被 害 状 況 |
復 旧 状 況 |
電 気 |
市内全域停止 |
1月23日復旧(約 7日間) |
電 話 |
約 25%停止 |
1月31日復旧(約 15日間) |
都市ガス |
約 80%停止 |
4月11日復旧(約 85日間) |
水 道 |
市内ほぼ全域停止 |
4月17日復旧(約 91日間) |
下 水 道 |
処理場機能停止・低下 |
5月 末日復旧(約135日間) |
○ インフラ施設の耐震化
震災の教訓を踏まえた、上下水道における災害に強いインフラ施設の整備事例を紹介します。
- 〔上水道〕
- 「神戸市水道施設耐震化基本計画」に基づき、災害に強い水道づくりを進めています。大容量送水管は、水源の4分の3を阪神水道企業団からの受水に頼っている本市において、六甲山を通る2本の送水トンネルの災害時の危険分散を考慮し、新たに市街地を通る耐震性の高い送水幹線を整備するものです。
この大容量送水管は、通常時の送水能力を強化するだけでなく、既設送水トンネルが被災したときや更生工事の際のバックアップ機能を有するほか、災害時は貯留機能を利用して、市街地の防災拠点における応急給水にも対応できるものです。
- 〔下水道〕
- 「神戸市下水道長期計画基本構想」に基づき、災害に強い下水道システムの構築を目指して、臨海部に位置する基幹処理場間を埋設深の深いシールド幹線(ネットワーク幹線)で連絡し、災害時に一つの処理場が被災しても、他の処理場でバックアップできるような処理場ネットワーク事業を進めています。
また、平常時においても、このシステムを効率的に活用することで、円滑な幹線や処理場の改築・更新等に柔軟に対応することが可能となります。